医療DX対応が「加算」から「点数の前提」に変わった

医療DX対応が「加算」から「点数の前提」に変わった

令和8年度診療報酬改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止されました。代わりに新設されたのが電子的診療情報連携体制整備加算です。取り組みを評価する加算から、要件を満たすことを求める形へ移りつつあります。

改組の内容

区分 点数
電子的診療情報連携体制整備加算(医科)初診時 15点/9点/4点(月1回)
同 再診時 2点(月1回)
歯科 初診時 9点/4点
調剤 8点
救急時医療情報取得加算(新設) 50点
遠隔電子処方箋活用加算(新設) 10点

主な施設基準要件には、マイナ保険証利用率30%以上、電子処方箋システムの活用、電子カルテの厚生労働省ガイドライン準拠などが含まれます。

賃上げ関連の点数も同じ改定に入っている

令和8年度改定の本体改定率は+3.09%(令和8年度+2.41%、令和9年度+3.77%の2年度平均)で、うち賃上げ分が+1.70%、物価対応分が+0.76%です。中医協答申は2026年2月13日、告示は令和8年3月5日、施行は令和8年6月1日です。

改定の施行が4月ではなく6月にずれる運用は、令和6年度改定に続いて2回目です。

医療機関で働く理学療法士への影響

この改組で読み取れるのは、医療DXへの対応が「やれば加算がつく取り組み」から「点数を算定するための前提条件」へ移ったという方向です。要件を満たさない施設は、加算を取り逃がすのではなく、算定の土俵から外れることになります。

リハビリテーション部門にとっての実務的な影響は、部門独自の運用が通りにくくなることです。電子カルテの標準的な運用に合わせることが施設基準の一部になる以上、紙の様式や部門システムだけで完結する記録は、整理の対象に上がります。

もう一点、実務のカレンダーに関わる話として押さえておきたいのが、改定の施行が6月で定着しつつあることです。4月入職の新人は、入職2か月で算定ルールが変わる前提でオリエンテーションを受けることになります。部門の算定研修や年間計画を6月起点で組み直しているかどうかは、教育を担当する立場なら確認しておく価値があります。

出典

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 7.外来医療の機能分化・強化等」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【全体概要版】」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)

※施設基準および算定要件は改定されることがあります。告示・通知の原文と所属施設の届出状況をご確認ください。

この記事を書いた人

  • 向井タカトシ

    向井タカトシ
    理学療法士 / パーソナルジム経営者

    理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。

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