マイナ保険証利用率が1年で31%から68%へ 算定も共通基盤に移る

マイナ保険証利用率が1年で31%から68%へ 算定も共通基盤に移る

受付から算定までの流れが、この1年で大きく電子側に寄りました。マイナ保険証の利用率は倍増し、診療報酬の計算ロジックは全国共通のプログラムに移りつつあります。リハビリテーションの算定にも波及する変化です。

マイナ保険証の利用率

時点 利用率
令和7年7月 31.43%
令和8年4月 68.15%

令和8年4月の資格確認は総計54,213,984件(病院6,578,176件、医科診療所19,870,908件、歯科診療所6,103,208件、薬局21,661,692件)。有効期限を過ぎた保険証を持参した場合の暫定的取扱いは令和8年7月末で終了しています。

共通算定モジュールが本格運用へ

社会保険診療報酬支払基金の共通算定モジュールが、令和8年6月1日に医科・DPC向けの本格運用を開始しました。これは、レセコンから要求された診療報酬点数と患者負担金の計算を共通で行う統一プログラムです。2025年度のモデル事業を経ての本格運用で、日本医師会ORCA管理機構のクラウド型レセコンで利用可能となっています。

加算の枠組みも変わった

令和8年度改定では、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算(医科)」に改組されました。初診時15点/9点/4点(月1回)、再診時2点(月1回)です。あわせて救急時医療情報取得加算50点、遠隔電子処方箋活用加算10点が新設されています。

主な施設基準要件には、マイナ保険証利用率30%以上、電子処方箋システムの活用、電子カルテの厚生労働省ガイドライン準拠が含まれます。

現場の算定業務への影響

算定ロジックが全国共通のプログラムに移ることは、中長期的にはリハビリテーション職にとって負担が減る方向に働きます。改定のたびに施設ごとの解釈のゆれを学び直すという作業が、少しずつ減っていくためです。

一方で短期的には逆です。改組された加算の施設基準にマイナ保険証利用率30%以上といった要件が入り、医療DXへの対応が「加算がつく取り組み」から「点数の前提条件」に移りつつあります。部門独自の記録ローカルルールは通りにくくなります。

いま確認しておきたいのは、自施設のリハビリテーション部門に、電子カルテの標準的な運用から外れた独自ルールが残っていないかです。紙の様式、部門システムだけで完結する記録、担当者しか読めない略記。標準化が進む局面では、こうした運用が先に問題として浮上します。整理しておくと、あとで慌てずに済みます。

出典

  • 厚生労働省「マイナ保険証の円滑な利用について」(令和8年6月18日・第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
  • 社会保険診療報酬支払基金「共通算定モジュール」 ssk.or.jp(2026年8月31日確認)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 7.外来医療の機能分化・強化等」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)

※施設基準および算定要件は改定されることがあります。告示・通知の原文と所属施設の届出状況をご確認ください。

この記事を書いた人

  • 向井タカトシ

    向井タカトシ
    理学療法士 / パーソナルジム経営者

    理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。

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