電子カルテ情報共有サービスが、令和8年度の冬頃から本格運用に入ります。共有される3文書のひとつが退院時サマリーです。リハビリテーションの経過をどう書いたかが、転院先や在宅の担当者に電子的に届くことになります。
いつ、何が共有されるのか
厚生労働省の「電子カルテ情報共有サービス 概要案内 2.0版」(令和8年3月)によると、令和8年度冬頃からの運用開始を目標とし、令和8年9月頃に基盤改修が完了、医療機関の準備が整い次第、順次運用を開始するとされています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 3文書 | 診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書 |
| 6情報 | 傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報、検査情報、処方情報 |
| 機能 | 文書送受信/健診文書登録・閲覧/臨床情報登録・閲覧/患者サマリー登録・閲覧 |
退院時サマリーは、診療情報提供書の添付情報として送受信されます。利用にはオンライン資格確認の導入が前提です。モデル事業は全国9地域・22医療機関で実施されました。
これまでとの違い
これまでも紙やFAXで情報は渡っていました。変わるのは、その情報が電子的に、しかも標準化された形で流通することです。誰が読んだかは分かりませんが、読める人の範囲は確実に広がります。
電子カルテの普及率は病院全体で65.6%(令和5年時点)、400床以上では93.7%です。国は令和12年12月31日までに普及率約100%を目標としています。
記録を書く理学療法士への影響
この変化を「システムの話」として受け取ると、実務上の意味を取り逃がします。効いてくるのは、リハビリテーションの経過を書いた文章が、院外の同業者に読まれる前提に変わることです。これまで退院時サマリーのリハ欄は、事実上その病院の中で完結していました。
まず一度、自分が直近に書いた退院時サマリーのリハビリテーション記述を読み返してみてください。目標設定の根拠、到達した水準、残っている課題、次の担当者に引き継ぎたい注意点。これが院外の人に読まれても意味が通るかどうかが基準になります。
読まれる文章は、書いた人の評価につながります。単位数は施設を変えれば数え直しになりますが、他職種・他施設に伝わる記述ができることは、どこに行っても目減りしない技能です。標準化が進むほど、その差は見えやすくなります。
出典
- 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス 概要案内 2.0版」(令和8年3月) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
- 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
- 厚生労働省「電子カルテの普及について」(令和8年3月12日・第28回健康・医療・介護情報利活用検討会 資料) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
※運用開始時期および対象文書は変更される場合があります。実際の対応は所属施設の方針をご確認ください。モデル事業の実施規模は二次情報によります。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。