令和8年度診療報酬改定の本体改定率は+3.09%でした。ただしこれは2年度分の平均です。年度ごとに分けると、令和8年度が+2.41%、令和9年度が+3.77%。つまり、引き上げの大きいほうは来年度に残っています。
異例の2年度設定
令和7年12月24日の予算大臣折衝で決定した改定率の内訳は次のとおりです。
| 項目 | 率 |
|---|---|
| 本体(令和8・9年度の2年度平均) | +3.09% |
| うち令和8年度 | +2.41% |
| うち令和9年度 | +3.77% |
| 薬価 | ▲0.86% |
| 材料価格 | ▲0.01% |
本体の内訳は、賃上げ分+1.70%(うち特例対応+0.28%)、物価対応分+0.76%、食費・光熱水費分+0.09%、緊急対応分+0.44%、効率化分▲0.15%、その他改定分+0.25%とされています。
改定率が2年度分でまとめて設定されたのは異例です。
賃上げ目標も2年度分ある
ベースアップ評価料の枠組みでも、賃上げ率の目標は令和8年度+3.2%、令和9年度+3.2%と、2年度にわたって設定されています(看護補助者・事務職員は+5.7%)。
さらに、入院ベースアップ評価料は現在1点〜250点の250区分ですが、令和9年6月以降は500区分に拡大される予定とされています。外来・在宅ベースアップ評価料についても、令和9年6月からは額が倍になるよう設定されています。
制度の側は、令和9年度にもう一段の引き上げを織り込んだ設計になっています。
給与への影響と確認すべき点
賃上げの話は「今年いくら上がったか」で終わりがちですが、この改定は2年度分がセットで設計されている点が特徴です。令和9年度分がまだ残っているという事実は、来年度の交渉や説明を受ける場面で使える情報になります。
ただし注意したいのは、改定率は診療報酬全体の話であって、個人の給与に自動的に反映されるものではないという点です。施設が受け取る収入が増えることと、そのうちどれだけが人件費に、そのうちどれだけがリハビリテーション職に配分されるかは、それぞれ別の判断です。
確認する順番を決めておくと話が進めやすくなります。自院がベースアップ評価料を届け出ているか。賃金改善計画で理学療法士が対象職員に含まれているか。そして、令和9年度に予定されている引き上げについて、施設としてどう扱う方針か。3つ目は、いま聞いても答えが出ないかもしれません。それでも、聞いた記録が残ること自体に意味がある種類の質問です。
出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について(改定率)」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 1.賃上げ対応」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
※改定率は診療報酬全体の水準に関するものであり、個々の給与を保証するものではありません。個別の労務・賃金の判断は勤務先の規程をご確認ください。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。