COPDの遠隔リハ、6分間歩行距離はセンター型と差がなかった

COPDの遠隔リハ、6分間歩行距離はセンター型と差がなかった

呼吸リハビリテーションを画面越しに行う。制度の整備を待っているあいだにも、非劣性を示す研究は積み上がっています。17試験・1,658名のメタアナリシスで、6分間歩行距離に有意差は出ませんでした。

結果

Li Y らのシステマティックレビュー/メタアナリシス(Journal of Medical Internet Research 28巻1号、2026年4月17日、PMID: 41996654)は、RCT 17件・計1,658名を対象としています。

アウトカム 結果
6分間歩行距離(テレリハ vs センター型) 平均差 −5.37 m(95%CI −15.68〜4.95、P=.26、k=9、n=950、I²=28.2%)

デジタル支援・同期監督下の遠隔プログラムは、短期的な運動耐容能でセンター型と同等の成績を示唆するという結論です。長期効果と日常活動への転換については異質性が観察されたとされています。

日本の制度上の位置づけ

制度の側を確認すると、話は別です。2025年の医療法等改正により、改正医療法第14条でオンライン診療が法律上定義され、基本的な施行日は令和9年4月1日とされています。オンライン診療受診施設の届出要件等の一部規定は令和8年4月1日施行です。

ただし、これは医師の診療についての規定です。理学療法士等が情報通信機器を用いて実施するリハビリテーションに対する独立した診療報酬上の評価については、令和8年度改定の資料を確認した範囲では見当たりませんでした(存在しないと断定はできず、未確認とします)。

遠隔リハに関わる理学療法士への影響

ここには、はっきりしたずれがあります。エビデンスは非劣性を示しつつあるのに、制度は追いついていない。 遠隔でのリハビリテーションを日本の保険診療の中で日常的に行える枠組みは、現時点では確認できません。

それでも知っておく価値があるのは、制度が動いたときに準備できているかどうかで差がつくからです。オンライン診療の法的定義が整い、遠隔心臓リハビリテーションの支援プログラムが薬事承認を得ている。周辺の要素は揃いつつあります。

いまできることとしては、対面での介入のうち「画面越しでも成立する部分」と「手を触れなければ判断できない部分」を、自分の中で分けてみることをおすすめします。この線引きができている人は、遠隔の枠が来たときにプログラムを設計できます。できていないと、対面の内容をそのまま画面に移そうとして失敗します。

出典

  • Li Y, Zhang H, Zhao G, Li J, et al. Journal of Medical Internet Research 28(1), 2026年4月17日, DOI: 10.2196/80500, PMID: 41996654(書誌・主要数値を確認、本文の全項目は未読)
  • 厚生労働省 医政局「オンライン診療について」(令和8年1月26日・第124回社会保障審議会医療部会 資料1) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)

※遠隔リハビリテーションの診療報酬上の取扱いについては未確認です。実施の可否は告示・通知の原文と所属施設の方針をご確認ください。

この記事を書いた人

  • 向井タカトシ

    向井タカトシ
    理学療法士 / パーソナルジム経営者

    理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。

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