目標設定等支援・管理料が廃止 空いた時間の行き先を決めるのは誰か

目標設定等支援・管理料が廃止 空いた時間の行き先を決めるのは誰か

令和8年度診療報酬改定で、目標設定等支援・管理料が廃止されました。未実施の場合の減算規定も同時になくなっています。書類と面談の負担が減る変更ですが、減った時間がどこへ行くかは、制度ではなく部門の判断で決まります。

廃止されたもの

目標設定等支援・管理料は、要介護・要支援の被保険者である患者に対し、目標設定等支援・管理シートを用いて説明を行った場合に算定するもので、初回250点、2回目以降100点でした。介護保険のリハビリテーションへ移行していく患者に対し、本人・家族と目標を共有することを評価する仕組みです。

令和8年度改定で、この管理料と、算定していない場合に疾患別リハビリテーション料を減算する規定の両方が廃止されました。令和8年6月1日施行です。

同じ改定では、リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書が統合され、患者の署名欄も廃止されています。書式と説明にかかる手続きが、まとめて整理された改定だったと言えます。

「減算されるからやる」がなくなった

この廃止で実務上いちばん変わるのは、面談と書類の作成が算定上の理由を失ったことです。減算規定があった間は、実施しないことに直接の不利がありました。今後は、実施するかどうかが施設の方針に委ねられます。

ここで分かれ目になるのは、目標設定の面談を「算定要件だから行っていた」のか、「必要だから行っていて、たまたま算定できていた」のかという点です。前者であれば面談は減り、後者であれば形を変えて残ります。

そして、空いた時間の使い道です。単位数を増やす方向に充てるのか、記録や退院支援に充てるのか、教育に充てるのか。この判断は診療報酬には書かれておらず、部門と施設が決めます。

現場の理学療法士への影響

この改定は「書類が減って楽になった」と受け取られやすいのですが、実際に起きているのは業務量の削減ではなく、時間の配分権が制度から現場へ移ったことだと考えています。減算がなくなった以上、その時間を何に使うかは自分たちで決めることになります。

問いの立て方を変えると見通しがよくなります。「面談を続けるかどうか」ではなく、「空いた時間を誰が何に割り当てる決定をしたのか」です。部門会議で決まっているのか、暗黙のうちに単位数へ吸収されているのか。後者であれば、負担は減っていないことになります。

まず確認していただきたいのは、自施設で目標設定の面談が今も行われているかどうかと、行われているならその位置づけです。介護保険への移行を控えた患者に対して、本人・家族と目標を共有する場面そのものは制度が廃止されてもなくなりません。その場面を自分の言葉で回せることは、算定の有無にかかわらず、職場を変えても持ち運べる部分です。

出典

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)

※廃止に伴う運用の取り扱いは、告示・通知の原文および所属施設の方針をご確認ください。

この記事を書いた人

  • 向井タカトシ

    向井タカトシ
    理学療法士 / パーソナルジム経営者

    理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。

Design your career.

理学療法士のキャリアで迷ったら、自分に合ったキャリアロードマップをご覧ください

キャリアロードマップはこちら