令和8年度診療報酬改定で、早期リハビリテーション加算の設計が大きく変わりました。起算日が入院日になり、限度が30日から14日へ短縮され、点数は入院初日から3日目までに集中しています。同時に休日リハビリテーション加算が新設されました。介入の入り方そのものを問う改定です。
改定前と改定後
| 改定前 | 改定後 | |
|---|---|---|
| 起算日 | 発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い日 | 入院した日 |
| 限度 | 30日 | 14日 |
| 点数 | 25点/1単位 | 入院初日〜3日目 60点/1単位 入院4日目〜14日目 25点/1単位 |
あわせて休日リハビリテーション加算が新設されました。土曜日・休日に入院患者へリハビリテーションを行った場合、加算の起算日から30日目までを限度に、1単位につき25点を加算します。いずれも令和8年6月1日施行です。
何が問われるようになったか
起算日が「発症・手術から」ではなく「入院した日から」に変わったことで、転院搬送や待機を経て入院した患者でも、入院した瞬間から時計が動き出します。そして最初の3日間の単価が他の期間の2倍以上に設定されました。
この設計で効いてくるのは、リハビリテーション部門の技術よりも先に、入院からリハビリテーション処方が出るまでの時間です。医師の指示、看護との情報共有、部門内の担当割り当て。ここに数日かかる施設と、当日または翌日に介入が始まる施設とでは、同じ人員でも算定できる点数が変わります。
休日リハビリテーション加算の新設は、この流れを土日にも延ばすものです。金曜の夜間や土曜に入院した患者を月曜まで待つ運用は、算定上の不利がはっきりする形になりました。
体制の話は、労務の話でもある
休日にリハビリテーションを提供する体制には、点数という裏づけができました。裏を返せば、土日のシフトを組む方向への圧力も強まります。休日勤務が手当なのか振替なのか、代休の取得実態はどうか、当番の回り方はどうなるのか。ここは施設ごとにまったく違います。
急性期で働く理学療法士への影響
この改定は「早期介入が評価された」という話で終わりがちですが、評価されているのは介入の早さそのものではなく、早く介入できる段取りを組織として持っているかのほうです。個人の努力で埋められる差ではありません。
先に数字で押さえておきたいのは、自施設の「入院からリハビリテーション処方までの平均日数」と「金曜夜間から日曜に入院した患者が初回介入を受けるまでの日数」の2点です。この2つを言える人は多くありません。感覚ではなく日数で言えるようにしておくと、増員やシフト変更を提案するときの土台になります。
そして休日体制の話が出たときは、手当・振替・代休の3つを分けて確認しておくことをおすすめします。同じ「土曜出勤あり」でも中身はまったく違い、求人票の文言だけでは判断できない部分です。転職の面談でも、在職中の交渉でも、聞き方は同じで足ります。
出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(施行日・関係告示) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
※算定要件の詳細および経過措置の適用は、告示・通知の原文と所属施設の届出状況をご確認ください。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。