ADL利得3以上が加算の条件に 評価の精度が事業所収益に直結する

ADL利得3以上が加算の条件に 評価の精度が事業所収益に直結する

介護報酬には、リハビリテーションの結果そのものを評価する加算があります。ADL維持等加算です。令和6年度改定で上位区分の基準がADL利得2以上から3以上に引き上げられました。理学療法士が測る数字が、そのまま事業所の収益になる構造です。

令和6年度改定で変わったこと

  • LIFE関連加算のデータ提出頻度を「少なくとも3か月に1回」に統一
  • ADL維持等加算(Ⅱ)の基準をADL利得2以上→3以上に引き上げ
  • アウトカム評価に褥瘡治癒・尿道カテーテル抜去を新規追加
  • 自立支援促進加算を月300単位→280単位に変更
  • フィードバック機能をブラウザベース操作に変更し、複数層別化オプションの提供を開始

リハビリテーション関連の加算も動いた

通所リハビリテーションにリハビリテーションマネジメント加算(ハ)が新設されました(6か月以内593単位/月、6か月超273単位/月)。医師が説明・同意した場合は270単位が加算されます。

訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションには退院時共同指導加算600単位が新設され、医療機関のリハビリテーション実施計画書の入手が義務化されました。

LIFEは新システムへ移行中

LIFEは2026年5月11日から新システムへの切替が始まり、運営主体が厚生労働省から国民健康保険中央会へ移管されたとされています。旧システムは2026年9月1日に停止予定です(この移行スケジュールは介護ソフトベンダー等の二次情報にもとづきます)。

通所・訪問で働く理学療法士への影響

ADL利得という指標が加算の基準になっている以上、評価の精度と入力の一貫性が、そのまま事業所の収益に効く構造になっています。同じ利用者を誰が評価しても同じ点数になるか。これは臨床技術ではなく、部門の運用の問題です。

まず確認していただきたいのは2点です。自事業所でBarthel IndexなどのADL評価を誰が、どのタイミングで測っているか。そして評価者による差を減らす取り決めがあるか。評価者が複数いて基準の共有がない事業所では、利得が出たり出なかったりします。

そのうえで、フィードバック機能に複数層別化オプションが追加されている点は使い道があります。自事業所のデータが全国の分布のどこにあるかを見られるということです。数字を見て運用を変える回路を持っている事業所は多くありません。ここを回せる人は、臨床の担当を持ちながら部門の側に立てます。

出典

  • 厚生労働省 老健局「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(社会保障審議会介護給付費分科会 第239回 資料1、令和6年1月22日) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
  • 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」(介護給付費分科会 第247回 資料4、令和7年9月5日) mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)

※加算の算定要件は改定されることがあります。告示・通知の原文および所属事業所の届出状況をご確認ください。LIFE新システム移行のスケジュールは二次情報によります。

この記事を書いた人

  • 向井タカトシ

    向井タカトシ
    理学療法士 / パーソナルジム経営者

    理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。

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