認定理学療法士を検討するとき、分野をどう選ぶかは費用や難易度と同じくらい効いてきます。分野別の取得者数を並べると、最も多い分野と最も少ない分野で数百倍の開きがあります。
全体の規模
日本理学療法士協会の公表値(2026年3月31日時点)では、会員数144,943名に対し、認定理学療法士は実数16,473名(約11%)、専門理学療法士は実数1,855名(約1.3%)です。
分野別の取得者数
分野別の内訳として公表されている最新の資料は2023年3月31日時点のものです(全国合計)。
| 分野 | 人数 |
|---|---|
| 運動器 | 4,154 |
| 脳卒中 | 3,615 |
| 地域理学療法 | 1,296 |
| 呼吸 | 1,236 |
| 循環 | 1,108 |
| スポーツ理学療法 | 707 |
| 介護予防 | 420 |
| 代謝 | 382 |
| 発達障害 | 350 |
| 管理・運営 | 303 |
| 徒手理学療法 | 219 |
| 神経筋障害 | 168 |
| 脊髄障害 | 116 |
| 学校教育 | 109 |
| 臨床教育 | 106 |
| 健康増進・参加 | 92 |
| 補装具 | 88 |
| 物理療法 | 52 |
| 切断 | 21 |
| 褥瘡・創傷ケア | 16 |
| 疼痛管理 | 9 |
※基準日は2023年3月31日です。2026年時点の分野別内訳は本記事では確認できていません。
参考:普及規模の違う資格
比較のために置いておくと、3学会合同呼吸療法認定士の理学療法士保有者は19,337名(2026年2月27日現在の累計49,199名のうち39.3%)です。認定理学療法士の呼吸分野1,236名とは桁が違います。同じ「呼吸」でも、資格によって普及規模はまったく異なります。
認定分野を選ぶ理学療法士への影響
分野を選ぶとき、多くの人は自分の担当領域から選びます。それは自然な順序ですが、この分布を見ると別の視点が加わります。取りやすさと希少性はトレードオフになっているということです。
運動器や脳卒中は保有者が多く、研修の機会も指導者も見つけやすい反面、持っていること自体は差になりにくい。疼痛管理や褥瘡・創傷ケアのように二桁の分野は希少ですが、その希少さは需要の少なさの裏返しでもあり、学ぶ環境を自分で探す必要があります。どちらが正しいという話ではなく、目的によって答えが変わります。
選ぶ前に言語化しておきたいのは、「この分野の認定を持っていることで、誰に何を説明したいのか」です。院内での配置なのか、転職時の説明なのか、外部での活動なのか。相手が決まると、多い分野を選ぶべきか少ない分野を選ぶべきかも決まります。申請料は1分野10,000円(税別)で最大3分野まで同時申請できますが、5年ごとの更新はそれぞれに発生します。数を持つほど維持の負担も増える点は、先に見ておく価値があります。
出典
- 日本理学療法士協会「認定理学療法士 都道府県別・分野別 取得者数」(2023年3月31日時点) japanpt.or.jp(2026年8月31日確認)
- 日本理学療法士協会「各資格の取得状況」(2026年3月31日時点) japanpt.or.jp(2026年8月31日確認)
- 公益財団法人医療機器センター「3学会合同呼吸療法認定士」 jaame.or.jp(2026年8月31日確認)
※本記事は特定の分野・資格の取得を推奨または非推奨するものではありません。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。