オーラルフレイルの定義と評価基準が、2024年4月に3学会合同で示されました。判定はわずか5項目、2つ以上該当で該当となります。訪問リハビリテーションや通所の初回評価に、そのまま組み込める形です。
定義
2024年4月1日、日本老年医学会・日本老年歯科医学会・日本サルコペニア・フレイル学会の3学会合同ステートメントが公表されました。定義は次のとおりです。
歯の喪失や食べること、話すことに代表されるさまざまな機能の「軽微な衰え」が重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態
OF-5(Oral frailty 5-item Checklist)
| # | 項目 |
|---|---|
| 1 | 残存歯数20本未満 |
| 2 | 固いものが食べにくくなった |
| 3 | お茶や汁物でむせることがある |
| 4 | 口の渇きが気になる |
| 5 | 滑舌低下(発音できないことがある/6.0回/秒未満) |
5項目中2項目以上に該当でオーラルフレイルと判定します。
なぜ理学療法士が知っておく価値があるか
令和8年度診療報酬改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算が病棟を越えて拡大されました。急性期の加算1は150点/日に増点、地域包括医療病棟に110点/50点、地域包括ケア病棟に30点(14日限度)が新設されています。
制度の側が「リハビリテーション×栄養×口腔」を一つのパッケージとして評価する方向に動いている以上、口腔の状態を評価の視野に入れられるかどうかが、部門の算定と患者の予後の両方に効いてきます。
訪問で働く理学療法士への影響
OF-5の使いやすさは、特別な機器も資格も要らないところにあります。残存歯数以外は問診で確認でき、滑舌は数えるだけです。訪問リハビリテーションの初回評価に足しても、所要時間はほとんど変わりません。
そのうえで、これは診断ではなく気づきの入口です。2項目以上に該当したときに何をするかを決めておかないと、測るだけで終わります。歯科への連携経路、管理栄養士への相談ルート、家族への伝え方。この3つを事前に用意しておくことをおすすめします。
制度が多職種のパッケージを評価する方向に動いている以上、他職種の言語を一つ持っていることは実務的な強みになります。口腔は、理学療法士が最も接点を持ちにくい領域のひとつです。だからこそ、5項目を覚えているだけでも会話の入口ができます。
出典
- 日本老年医学会・日本老年歯科医学会・日本サルコペニア・フレイル学会「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」(2024年4月1日) jpn-geriat-soc.or.jp(2026年8月31日確認)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 3.急性期・高度急性期入院医療」/「4.包括期・慢性期入院医療」 mhlw.go.jp(2026年8月31日確認)
※本記事は評価基準の紹介であり、診断や個別の治療方針を示すものではありません。臨床判断は主治医・歯科医師および所属施設の方針に従ってください。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。