中学校の部活動が、学校から地域のクラブへ移りつつあります。休日の部活動はすでに3割が地域展開済みで、令和8年度の予算は前年度から20億円増えました。スポーツ領域に関心のある理学療法士にとって、接点が増える方向の変化です。
どこまで進んでいるか
スポーツ庁の資料(令和7年12月)によると、部活動改革の進捗は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 令和8年度に地域展開を実施予定の自治体 | スポーツ 1,097市区町村/文化芸術 646市区町村 |
| 地域展開率(休日) | 30.4%(38,954部) |
| 地域展開率(平日) | 8.7%(11,163部) |
| 令和8年度予算 | 57億円(前年度37億円) |
| 令和7年度補正予算 | 82億円 |
改革推進期間は令和5〜7年度の3年間とされ、令和7年12月に「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」が策定されました。令和8年3月には「地域クラブ活動の創設・運営ガイドブック」も公表されています。
ただし専門職の位置づけは明記されていない
今回確認した範囲では、地域クラブ活動における理学療法士の位置づけを制度上明記した記載は見つかりませんでした。指導者の資格要件や、コンディショニング担当の配置についても、公的な規定は確認できていません。
つまり現時点では、「制度上の枠がある」のではなく「受け皿となる主体が地域に生まれつつある」という段階です。
部活動に関わりたい理学療法士への影響
スポーツ領域は、理学療法士のキャリアの中でも希望者が多い一方、入口が見えにくい領域です。プロクラブの求人は数が限られ、公募も不定期です。その意味で、地域クラブが1,000を超える自治体で立ち上がっていくことは、接点の数としては大きな変化だと考えています。
ただし、制度上の配置が決まっているわけではありません。ここで先に整理しておきたいのは、自分が何を提供する人として関わるかです。指導者なのか、外傷予防のプログラムを作る人なのか、けがの相談窓口なのか、指導者向けの研修をする人なのか。役割が決まらないまま「関わりたい」と伝えても、相手も置き場所を決められません。
いますぐできることとしては、自分の住む市区町村が地域展開を実施しているかを調べてみることをおすすめします。実施していれば、運営主体は総合型地域スポーツクラブや競技団体、民間事業者などです。窓口が分かれば、次の一歩は自治体の担当課に問い合わせるところまで具体化します。
出典
- スポーツ庁「部活動改革に関する最近の動き」(令和7年12月) mext.go.jp(2026年8月31日確認)
- スポーツ庁 部活動改革ポータルサイト mext.go.jp(2026年8月31日確認)
※地域クラブ活動における専門職の位置づけについて、制度上の規定は確認できていません。実際の関わり方は各自治体・運営団体にご確認ください。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。