心不全診療ガイドラインが2025年3月に全面改訂されました。9学会合同で、日本心臓リハビリテーション学会も加わっています。改訂の要点のひとつが、慢性腎臓病を心不全リスクのステージAに追加したことです。
改訂の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行 | 2025年3月28日(2025年12月19日更新) |
| 作成 | 日本循環器学会ほか9学会合同(日本心臓リハビリテーション学会を含む) |
| 班長 | 加藤貴雄 |
| 主要改訂点 | ステージA(心不全リスク)・ステージB(前心不全)の記載を充実。慢性腎臓病(CKD)をステージAに追加 |
本文にはリハビリテーションに関する項目として、推奨表81「心不全患者における包括的心臓リハビリテーション・運動療法」、図48「各時相における包括的心臓リハビリテーション」、推奨表82「社会復帰・就労支援」が収載されています。
※推奨表81の個々の推奨文・推奨クラス・エビデンスレベルについては、本記事の作成時点でPDFからの抽出ができておらず、内容の記載を控えます。
心リハのガイドラインは改訂されていない
あわせて確認しておきたいのが、『2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン』(JCS2021 Makita)の状況です。2021年3月27日発行で、2024〜2026年に全面改訂版は発行されていません。 班長は牧田茂、合同研究班には日本理学療法士協会を含む12学会・団体が参加しています。
PDFの表紙に「2026年6月20日更新」の表記がありますが、それが正誤表か部分改訂かは文書内に記載がなく、確認できていません。
心不全の臨床への影響
この2つを並べると、少し落ち着かない構図が見えます。心不全診療のガイドラインは2025年に更新されたが、心臓リハビリテーションのガイドラインは2021年版のままです。運動療法の位置づけを語るときに、どちらを根拠にするかで記述が変わる可能性があります。
心リハに関わっている方は、心不全診療ガイドライン2025の推奨表81を自分で開いて確認することをおすすめします。二次情報で「改訂された」と聞くのと、推奨クラスとエビデンスレベルを自分の目で見るのとでは、患者説明の精度が違います。ガイドラインはウェブで公開されています。
そのうえで、CKDがステージAに追加された点は、腎臓リハビリテーションとの接続を語る材料になります。心不全の患者を担当していて腎機能を見ていない、という運用は今後説明しにくくなります。他領域との接点が制度やガイドラインの側から増えていく局面です。
出典
- 日本循環器学会ほか「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン」(JCS2025 Kato) j-circ.or.jp(2026年8月31日確認)
- 日本循環器学会「2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」(JCS2021 Makita) j-circ.or.jp(2026年8月31日確認)
※推奨内容の詳細はガイドライン本体をご確認ください。臨床判断は主治医および所属施設の方針に従ってください。
この記事を書いた人
-
向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。