『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕』が2025年8月30日に発行されました。全140項目のうち52項目が改訂されています。脳卒中に関わる理学療法士にとって、2021年版で止まっている職場は蔵書の更新が必要な段階です。
改訂の規模
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行日 | 2025年8月30日 |
| 編集 | 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 |
| 発行 | 協和企画/352ページ/8,800円(税込) |
| 改訂範囲 | 全140項目中52項目 |
| 採用文献 | 2022年1月〜2023年12月に発表された論文のうちレベル1のエビデンスおよび重要度の高い内容 |
発行元が改訂の目玉として挙げているのは、GLP-1受容体作動薬、抗アミロイド抗体治療薬、DOAC治療、経動脈的血行再建療法です。
リハビリテーション領域について
リハビリテーション領域の個別項目がどう変わったかについては、機器メーカーや解説記事で複数の記述が見られます。歩行補助ロボット、BCI応用上肢訓練、神経刺激併用の上肢リハビリテーション、VRを用いた歩行訓練などの推奨度やエビデンスレベルが動いたとされています。
※ただし、これらはいずれも商業サイトの解説記事にもとづく情報であり、ガイドライン本体での確認はできていません。 本記事では個別の推奨度の変更内容を断定的に記載しません。
そのうえで確かなこと
確認できているのは、2025年8月に改訂版が出たこと、52項目が改訂されたこと、採用文献が2023年末までであることです。関連する解説論文として、秋本高義・中嶋秀人「脳卒中ガイドライン2021(改訂2025)解説」(日大医学雑誌 85(1):11-18, 2026年2月1日)が発表されています。
脳卒中リハの臨床への影響
ガイドラインの改訂は、臨床の判断基準が更新されるという以上に、院内での説明の根拠が変わるという意味を持ちます。2021年版を引用して立てた計画は、改訂項目に該当していれば根拠が古いことになります。
まず確認していただきたいのは、自施設のリハビリテーション部門が改訂版を持っているかどうかです。8,800円の書籍が部門に1冊もない状態は珍しくありません。個人で買うか、部門予算で買うかは別として、誰も持っていないと52項目のどこが変わったかを誰も答えられません。
そのうえで、院内勉強会の題材としては年度内に使える鮮度があります。「52項目が改訂された」という事実だけで企画は立ちますし、担当分野を分けて読み合わせれば、部門全体で更新できます。ガイドラインを読む会を回せる人は、臨床技術とは別の軸で評価されます。
出典
- 株式会社協和企画『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕』書籍案内 kk-kyowa.co.jp(2026年8月31日確認)
- 秋本高義・中嶋秀人「脳卒中ガイドライン2021(改訂2025)解説」日大医学雑誌 85(1):11-18, 2026年2月1日, DOI: 10.4264/numa.85.1_11(書誌のみ確認、本文未読)
※リハビリテーション領域の個別の改訂内容については、ガイドライン本体をご確認ください。本記事では一次情報で確認できた範囲のみを記載しています。
この記事を書いた人
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向井タカトシ
理学療法士 / パーソナルジム経営者理学療法士としての臨床経験を経てパーソナルジムを経営。理学療法士のキャリア形成を当事者の目線で発信している。