【監修】向井 崇敏(理学療法士/PT Career運営/B.E.Tパーソナルジム代表)
理学療法士として21年のキャリアを積み、現在は整形外科クリニックで臨床に携わりながら、週末には講師として若手PTへ知識と経験を伝えている田村拓也さん。
臨床・教育・管理職と幅広い立場を経験してきた田村さんに、これまでの歩みと苦労、そして後輩へのメッセージや今後の展望をお聞きしました。

田村 拓也(たむら たくや)
理学療法士歴20年以上。総合病院での経験を経て、現在は整形外科クリニックでリハビリテーション科長として臨床及び教育に従事。週末は講師として若手理学療法士への教育活動にも力を注ぐ。運動器認定理学療法士及びリハビリテーション科長であり、患者と後進の双方に還元できる理学療法を追求している。
Q. 現在は理学療法士としてどのようなお仕事をされていますか?
現在は整形外科クリニックで勤務しています。外来での運動器リハビリを中心に、多くの患者さんのサポートを行っています。加えて、週末は講師として活動しています。これは自分のこれまでの経験や知識を次世代の理学療法士へ伝え、臨床現場に還元してもらいたいという思いから始めた取り組みです。
Q. そのような働き方を選ばれたきっかけは何でしょうか?
A. 総合病院で働いていた頃、退院後のケアや運動器リハを継続的に受けられるクリニックがなかなか見つからなかったんです。「それなら自分がやらなければ」と感じ、思い切って総合病院を退職し、クリニックへ移る決断をしました。
講師としての活動は、若いPTの先生たちに自分の経験を伝え、結果的に患者さんへ還元していけるようにとの思いからスタートしました。
Q. これまでのキャリアの中で、特に苦労されたことはありますか?
A. 認定理学療法士の取得に関しては、元々整形分野が好きだったので、勉強そのものが苦労には感じませんでした。ただ、科長を務めたときには「上に立つ者」としての立ち振る舞いに悩むことが多かったですね。専門的な知識や技術だけではなく、人としてどうあるべきか、管理職としての在り方を模索することは大きな課題でした。
Q. その課題をどのように乗り越えてこられたのでしょうか?
A. 認定PTについては、「自分のため」ではなく「患者さんのために勉強する」という意識を持ち続けています。資格を取ることで患者さんに安心や信頼を与えられると考え、学びを継続することが苦にならなかったんです。
科長としては、役職に縛られず一職員として後輩の声に耳を傾け、意見や要望には必ずアクションを起こすよう徹底していました。自分の芯をブレずに持ち続けることで、少しずつ信頼関係を築いていけたと思います。
Q. 後輩PTが同じ道を歩みたいと考えた場合、どのような準備を勧めますか?
A. まず大切なのは「目の前の患者さんを自分の手で良くするんだ」という強い気持ちです。周囲に流されることなく、歩みを止めずに学び続けること。これは何よりも大事だと思います。
また、心をコントロールしてブレない強い気持ちを維持することも必要です。そのために理学療法に限らず様々な本を読んだり、他部署の管理職と交流したりすることが新しい刺激になり、自分を成長させてくれます。
Q. 今後の目標についてお聞かせください。
A. 医師を頼って患者さんがクリニックに来るのではなく、「このクリニックには田村先生がいるから」とPTを頼って来てもらえるようになりたいです。患者さんにとって「選ばれるPT」であり続けるために、これからも学びを止めず、走り続けていきたいと思います。
編集後記:
田村さんのお話から、「ブレない芯を持ち続けること」の大切さを強く感じました。専門分野を深めるだけでなく、管理職として人に向き合い、講師として後進へ伝えていく姿はまさに「歩みを止めない理学療法士」。
学生や若手の皆さんも、田村さんのように強い信念と継続する力を持ち、ぜひ「選ばれるPT」を目指して歩んでほしいと思います。
業界初!理学療法士専用LINEキャリア診断
質問による潜在的な適正と、名前と生年月日から読み解く潜在的な適性を掛け合わせて、自分に合った最適な理学療法士キャリアを診断できるコンテンツです。
「臨床以外の選択肢も考えたい」「自分に何が向いてるのか知りたい」そんなキャリアへの悩みを持つ方は、1分でできる簡単な診断なので是非一度試してみてください!

【監修者】向井 崇敏/理学療法士
ASAP株式会社で訪問・病院・助成など医療介護現場で勤務したのちに独立。
2020年に「骨格からリデザイン」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。
現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、
理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT Career」を運営。