UPDATED 2026.07.21

野球トレーナーになるには|理学療法士がボランティアから複数チーム契約に至った実例【現役PT監修】

「野球に理学療法士として関わりたい」——野球経験者の理学療法士に根強い想いですが、プロ球団のトレーナー枠は極めて狭き門です。一方で、高校野球・ボーイズリーグなどの学生野球は、個人契約型トレーナーとして現実的に参入できる広い入口です。

本記事では、理学療法士5年目から高校野球の現場に入り、ボランティア5年を経て複数チームとの有料契約に至った纐纈悠さんへの取材をもとに、野球トレーナーになるための現実的なルートを、PT Career編集部が解説します(総論はスポーツ理学療法士になるにはを参照)。

野球現場で働く理学療法士(野球トレーナー)の仕事内容

活動内容はチームのカテゴリによって異なります。纐纈さんの実例では、高校野球ではケガをしている選手のスポーツ復帰支援と個別コンディショニングが中心で、平日16時からの練習に合わせてグラウンドに入り、練習終わりまで個別対応を行います。ボーイズリーグ(中学生)ではフィジカルトレーナーとして、ウォーミングアップ・クーリングダウンの指導や、身体の使い方・パワー強化のトレーニング指導を担っています。

成長期の選手が多い学生野球では、「中学生でも安全に行える筋力トレーニング」のように、医学的知識に基づく安全管理そのものが理学療法士の提供価値になります。

野球トレーナーになるための現実的ルート|0→1の4段階

段階① 整形外科系で臨床力を磨く

纐纈さんは整形外科病院・クリニックで臨床経験を積んだ後、5年目から現場活動を始めました。投球障害をはじめとするスポーツ外傷・障害の評価とリハビリの経験が土台になります。

段階② 現場との接点をつくる(母校・紹介ルート)

最初の現場は「母校の監督を紹介してもらった岐阜県の公立高校」でした。野球トレーナーの募集が求人票に載ることはほとんどないため、母校・知人・地域チームといった既存のつながりが入口になります。

段階③ ボランティア期間で信頼と実績を積む

ボランティアとして5年間続けた後、2024年2月に有料契約を結んでいただきました。同年にはボーイズリーグ球団でもフィジカルトレーナーとして活動を始め、現在は2チームと契約しています。

纐纈悠さん(インタビュー全文

無償期間は「下積み」ではなく、現場での信頼構築と実績づくりの期間です。選手・指導者に価値を実感してもらえて初めて、契約の話が現実になります。

段階④ 有料契約へつなげ、複業として設計する

纐纈さんは医療機関勤務を続けながら2チームと契約する複業型です。「患者さんが来てくれる医療機関から、自分で仕事を作らなければならない個人事業主へのシフト」が最大の壁だったと語っており、ビジネスの基礎を学びながら少しずつ形にしていったといいます。契約・税務など複業設計の基本は副業ガイドも参考にしてください。

活動を始めた原点|「選手の悲しい表情を減らしたい」

病院やクリニックで働いている時に対応した選手の悲しそうな表情を見るのが辛くなってしまったことがきっかけです。トレーナーとしてスポーツ現場で活動をすることで、ケガの予防ができるのではないかと思い、活動を始めました。

纐纈悠さん

臨床で選手のケガと向き合った経験が、そのまま現場活動の動機と専門性につながっています。医療機関での日々の仕事こそが、野球トレーナーとしての最大の準備になるという実例です。

よくある質問(FAQ)

プロ野球のトレーナーにはなれますか?

プロ球団の枠は非常に少なく、公開情報も限られています。まず学生野球・社会人野球で実績を積むのが現実的なステップです。

資格は理学療法士だけで足りますか?

学生野球の現場では理学療法士の医学的知識だけでも十分に価値を発揮できます。救急対応やコンディショニングの幅を広げたい場合は、アスレティックトレーナー等の資格が補強になります(総論記事の資格比較参照)。学び続ける場としては研修会情報の一覧も活用してください。

何年目から現場に出られますか?

決まりはありませんが、取材事例では臨床5年目からのスタートでした。焦らず臨床力を高めることが、結果的に現場での信頼につながります。

まとめ

野球トレーナーへの道は、「プロを目指して待つ」のではなく「目の前の学生野球から始める」ことで開けます。0→1の具体的な道のりは纐纈悠さんのインタビュー全文でぜひご覧ください。