UPDATED 2025.07.15

《2025年版》理学療法士の管理職に必要な7つのスキルや仕事内容とは

【監修】向井 崇敏(理学療法士/PT Career運営/B.E.Tパーソナルジム代表)

理学療法士として現場経験を積み重ねる中で、「次のキャリア」として管理職への道を考える人は少なくありません。しかし、プレイヤーとしての優秀さと、マネージャーとしての適性はまったくの別物。求められる視点もスキルも大きく変わります。

本記事では、理学療法士が管理職として活躍するために必要な7つの代表的スキルと、それらを効率的に身につけるための実践ステップを詳しく解説します。
これから昇進を目指す方はもちろん、「自分に管理職は向いているのか」と悩む方にも、リアルなヒントをお届けします。

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理学療法士として管理職を目指すための具体的ステップまで解説しているので、是非最後まで読んでみて、自分らしいキャリアをイメージしてみてください!

また、管理職以外の理学療法士キャリア選択肢について知りたい方は『理学療法士キャリア選択肢ガイド』を読んでみてください。

◾️おすすめ記事:『理学療法士キャリア選択肢ガイド』

監修者写真

【監修者】向井 崇敏/理学療法士

ASAP株式会社で訪問・病院・助成など医療介護現場で勤務したのちに独立。
2020年に「骨格から美ボディメイク」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。
現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、
理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT CAREER」を運営。

理学療法士の管理職の仕事内容

理学療法士の管理職は、単に「上に立つ」だけではなく、現場と経営層の橋渡し役でもあります。具体的には、部署全体のスケジュール管理、人員配置、スタッフ育成、患者対応の調整など、日々のオペレーションを円滑に進める役割を担います。

また、経営陣からの方針や目標を現場に落とし込み、実行可能なプランとして展開する力も求められます。言い換えれば、プレイヤーからマネージャーへと視座を上げ、「組織をどう動かすか」を常に考えるポジションです。

《管理職の具体的な仕事内容》
・スタッフのシフト・人員配置の調整
・部署内の目標設定と進捗管理
・新人教育やスタッフの育成・評価
・チームビルディングとコミュニケーションの活性化
・他職種(医師・看護師・MSWなど)との連携・調整
・診療報酬や加算管理など、収益面の把握と改善提案
・会議・カンファレンスの運営、上層部への報告・提案
・患者対応やクレーム対応などのトラブルマネジメント
・施設運営に関する業務改善・施策の企画立案
・現場スタッフのメンタルケアと働きやすい環境づくり

管理職に必要な7つの代表スキル

① チームマネジメント力

多職種連携が当たり前の医療・介護現場では、スタッフ一人ひとりのモチベーションや適性を理解し、チームとして成果を出すマネジメント力が不可欠です。単に指示を出すのではなく、対話を重ねて信頼関係を築き、目標達成に向けた共通意識を育むことが求められます。

② 施設運営・収益管理スキル

理学療法部門がどれだけの収益を生み、どれだけのコストがかかっているのかを把握することは、経営目線を持つ第一歩です。診療報酬や稼働率、患者数、加算などの知識を活かして、数字に強い管理職として存在感を発揮することができます。

③ 人材育成と教育設計力

新人・若手スタッフの教育や中堅層のスキルアップを計画的に支援するためには、単発の指導ではなく、継続的な教育設計が重要です。成長段階に応じた目標設定や評価制度の導入、OJTとOFF-JTのバランスを考えた育成が求められます。

④ ビジョン共有とリーダーシップ

部署全体の方向性を示し、メンバーと共に目指すゴールを共有するリーダーシップは、現場の一体感を生みます。トップダウン型の命令ではなく、「なぜやるのか」を語れる管理職こそが、部下の主体性を引き出します。

⑤ 対人関係・コンフリクトマネジメント

意見の対立や人間関係の摩擦は、どんな現場でも起こりうるものです。こうしたときに感情で動かず、冷静に状況を整理し、関係者との間に立って解決を図る調整力が管理職には欠かせません。メンタルケアや傾聴の姿勢も重要な要素です。

⑥ デリゲーション(任せる力)

「自分がやったほうが早い」と抱え込むのではなく、業務を適切に任せ、スタッフの成長機会とするのも管理職の大事な役割です。仕事を手放す勇気と、成果に対して責任を持つ覚悟があってこそ、組織のパフォーマンスは最大化されます。

⑦ 自己管理・メンタルマネジメント力

忙しさやプレッシャーの中でも、自分自身のコンディションを整える力は極めて重要です。管理職は“管理される側”ではなくなる分、心身のセルフマネジメントが求められます。ルーティンの整備やストレス対処法を持つことが、長期的な活躍に直結します。

管理職スキル習得のための5ステップ

① 管理職のロールモデルを探す

まずは、身近にいる「尊敬できる管理職」を観察し、その思考や行動を学ぶことから始めましょう。直接話を聞いたり、日々の言動からヒントを得ることは、自身の管理職像を描くうえで非常に参考になります。

② 現場でできる範囲から実践する

いきなり全体をマネジメントしようとするのではなく、後輩指導やチーム内の小さなタスクから“マネジメントの練習”を始めてみましょう。役職がなくても、意識と行動で管理職スキルは十分に磨けます。

③ 理学療法士協会・eラーニングなど外部研修を活用

日本理学療法士協会や各都道府県士会が提供するリーダーシップ研修、マネジメントセミナー、eラーニングなどを積極的に活用しましょう。現場では得られない理論や他施設の実例に触れることで、視野が一気に広がります。

④ 失敗経験を“学び”として言語化する

管理職スキルは、経験の中から身につくものです。特に失敗体験は、後から振り返ることで大きな学びになります。「なぜうまくいかなかったのか」「次にどう活かすか」を日報やメモに書き出す習慣をつけることが大切です。

⑤ 昇進前に「見える実績」を作っておく

昇進には「この人に任せたい」と思わせる実績が必要です。例えば、業務改善の提案や後輩育成の仕組みづくり、チーム全体のKPI向上など、“成果として語れる行動”を意識的に積み重ねておくと、管理職への道がぐっと近づきます。

まとめ|“人を活かす力”が理学療法士の次の武器になる

理学療法士が管理職として活躍するには、専門技術だけでなく、人・組織・自分自身をマネジメントする複合的なスキルが求められます。「治す力」から「活かす力」へと視点を広げることで、あなたのキャリアはさらに深まり、次のステージが見えてくるはずです。

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