UPDATED 2025.06.13

「能動的じゃなくてもいい」置かれた場所で咲く理学療法士のキャリア

【監修】向井 崇敏(理学療法士/PT Career運営/B.E.Tパーソナルジム代表)

キャリアは、能動的に切り拓くもの──
そんなイメージが強いなかで、「受け身の姿勢」から広がる働き方も存在します。

今回ご紹介するのは、理学療法士として臨床現場を経験したのち、教育・介護・講師・地域支援など、多分野に活動を広げている中山直樹さん。

「置かれた場所で咲く」──その姿勢から学べるヒントを探っていきます。

中山 直樹/理学療法士・専門学校教員・講師
筑波記念病院、協和会病院での臨床経験を経て、四国医療専門学校にて教員として勤務。現在はデイサービスの管理者、訪問リハビリ、健康講座・地域セミナー講師、オンラインでの子ども支援など幅広い活動を展開。
「能動的キャリア」ではなく「受け身で咲くキャリア」を実践し、多職種・多拠点での理学療法士の新しい働き方を体現している。

Q. 中山さん、本日はありがとうございます。現在は多方面でご活躍されていますが、どんなお仕事をされているのでしょうか?

A. こちらこそありがとうございます。
現在は、専門学校で理学療法士養成の教員をしながら、デイサービスの管理、訪問リハビリ、健康講座、セミナー講師、そしてオンラインでの子ども支援活動なども行っています。
バラバラに見えるかもしれませんが、どれも“リハビリテーション”の延長線上だと思って楽しんでいます。


Q. 教員になったきっかけがユニークですね。求人を見て「ちょっとやってみようかな」と思われたとか。

A. そうなんです(笑)。
もともと教員を目指していたわけではなくて、たまたま求人を見かけて「非常勤で1科目くらいなら…」という軽い気持ちでした。
でも見学に行ったときに、教員と学生さんの距離が近くて、すごくいい雰囲気だなと感じて。そこからですね。


Q. 実際に教員になって、苦労したことはありますか?

A. スライド資料作りがめちゃくちゃ大変でした(笑)。
最初の頃は何が正解かもわからず、ひたすら手探りでした。でも、「すべての環境がリハビリテーションだ」と思って、資料作りも含めて楽しむようにしたら、だんだんと慣れてきましたね。


Q. キャリアの形成について「受け身だった」とおっしゃっていましたが、それでも今は多方面に展開されていますよね。

A. そうですね。
あまり「これがやりたい!」と決めて進んできたわけじゃないんです。
でも、「これどうですか?」って声をかけてもらったら、まずは受けてみる。
そうやってやってみたら、そこからまた次のご縁がつながっていく、そんな感じですね。
“置かれた場所で咲く”という感覚です。


Q. 若手の理学療法士に伝えたいことがあれば教えてください。

A. 一番はコミュニケーション能力を磨いておくことですね。
専門技術も大事ですが、どんな現場でも人との関係性があってこそなので。話を聴く力、伝える力、それがあれば、どこにいても活躍できると思います。


Q. 最後に、今後の目標を教えてください。

A. 「副業10種類」ですね(笑)。
これはちょっと遊び心も入ってますけど、実際にさまざまな分野に挑戦していくつもりです。
リハビリって、医療や介護の枠に限らないと思うので、もっと社会に出ていきたいですね。


編集後記:

“戦略的にキャリアを描く”という考えが主流になりつつある中で、中山さんの「受け身でありながらしなやかに広がるキャリア」は、むしろ今の時代に合った柔軟な生き方かもしれません。
声をかけられたらやってみる。頼まれごとは試されごと。
「やってみたら意外と合っていた」──そんな積み重ねが、多様な働き方の土台になるのだと実感しました。
自分から動けないときこそ、“来た波に乗ってみる”。
そんな姿勢が、これからの理学療法士の可能性をさらに広げていくのかもしれません。

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【監修者】向井崇敏/理学療法士
ASAP株式会社代表取締役。病院・訪問など医療介護現場にて勤務したのちに独立。2020年に「骨格から美ボディづくり」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT CAREER」を運営。