【監修】向井 崇敏(理学療法士/PT Career運営/B.E.Tパーソナルジム代表)
今回ご紹介する福本祐介さんは、臨床・研究・教育の3軸を掛け合わせながら、整形外科クリニック勤務と並行して、運動器エコーの普及やセミナー活動にも取り組まれています。
患者の問題点を視える化するエコー技術と、常に「Why?」を追求する姿勢。
地道な探究心と行動力で築かれたキャリアの背景を、じっくり伺いました。

福本 祐介/理学療法士・修士
大学卒業後、総合病院勤務を経て、スポーツ整形外科クリニックにて臨床経験を重ねる。卒後2年目からは大学研究員として働きながら大学院へ進学し、修士号を取得。運動器エコーの活用歴は約10年に及び、主著として英語論文3本・共著5本を執筆、書籍の共同執筆にも関わる。現在はクリニック勤務の傍ら、エコー関連のセミナー講師やオンラインサロンでのコンテンツ提供など多方面で活動中。
Q. 本日はありがとうございます。現在は複数の活動をされているとのことですが、どのような内容でしょうか?
A. こちらこそありがとうございます。
現在は、整形外科クリニックでの勤務をメインに、並行してオンラインサロンでのセミナー講師や、運動器エコーの出張講義、セミナー活動などを行っています。
エコーはここ10年ほど携わってきましたが、今では評価や治療に不可欠なツールになってきたと感じています。
Q. エコーとの出会いが、キャリアの大きな分岐点だったのですね。
A. そうですね。
患者さんの病態をもっと深く理解したいと思っていたときに、エコーと出会ったのがきっかけです。
当時はまだ情報も少なかったですが、セミナーのアシスタントを経験し、少しずつ講師の立場も増えていきました。
エコーが「視える化」を通じて、臨床の幅を一気に広げてくれたと感じています。
Q. キャリアの中で、特に苦労されたことはありますか?
A. やっぱり、臨床での「Why?」を突き詰めることですね。
「なぜ良くならないのか」「なぜ再発するのか」──その答えを探し続けるのは簡単ではないです。
でもそこを深掘りしていくと、評価や介入の精度が確実に変わってくる。その過程はとても大変でしたが、大学院での研究が大きな助けになりました。
Q. 働きながら大学院へ進学されたんですよね?
A. はい。ご縁もあり、研究職と大学院を両立する道を選びました。
研究ではエコーを活用した評価を行っていたので、学問的な知識と臨床現場の経験がリンクしやすかったです。
エコーが“臨床の目”として研究を支えてくれたのは、本当に大きかったと思っています。
Q. 若手理学療法士や学生に向けて、何かアドバイスをいただけますか?
A. そうですね。
理学療法士のキャリアは、病院だけでなく、クリニック、教育、研究、そして個人での活動と本当に幅広いです。
大切なのは「自分が何を提供できるか?」という視点。
その答えは、自分の中にある“強み”に気づくことから始まると思います。
今の時代、「必要とされる存在」でいるために、自分の価値をどう磨いていくかを考えてみてください。
編集後記:
福本さんのお話は、まさに「深掘りのキャリア」。
一つひとつの臨床経験に対して、徹底的に「なぜ?」を問い続けた先に、研究、教育、エコーという多彩な道が開けていった姿勢は、多くの理学療法士にとって学びとなるはずです。
答えを探す姿勢と、技術を磨き続ける努力。
それは、誰にでもできることではないけれど、誰もが今日から意識できる一歩でもあります。
次のキャリアのヒントを見つけてみてください。
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【監修者】向井崇敏/理学療法士
ASAP株式会社代表取締役。病院・訪問など医療介護現場にて勤務したのちに独立。2020年に「骨格から美ボディづくり」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT CAREER」を運営。