理学療法士として日々忙しく働く中で、家計や資産形成に対して漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。
病院勤務では昇給の伸びが限定的で、さらにライフステージが変わる中で、住宅ローンや子育て費用など負担が増える場面も多く、副収入の有無も将来の安心感を大きく左右します。
この記事では、そんなお金の不安を「自信」に変えるために、理学療法士が今すぐ実践できる資産形成の基本と、将来に備えるための具体的なステップを徹底解説します。
NISA・保険・支出管理・副業収入といった重要ポイントを、やさしく丁寧に紹介していますので、ぜひご自身の資産形成の第一歩としてお役立てていただけると幸いです。

【監修者】向井崇敏/理学療法士
ASAP株式会社代表取締役。病院・訪問など医療介護現場にて勤務したのちに独立。2020年に「骨格から美ボディづくり」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT CAREER」を運営。
理学療法士に「お金の教養」が必要な3つの理由
①年収が伸びにくい構造だから
理学療法士は専門職としてのやりがいが大きい一方で、昇給幅が小さく、年収が大きく上がりにくい職種です。多くの病院や施設では給与テーブルが固定されており、10年働いても手取りがあまり変わらないケースもあります。このような状況では、生活の質を上げたり、将来に備えたりするためには「お金の知識」を持ち、限られた収入をどう活かすかが重要になります。
②「お金の不安」でキャリアが止まるから
「転職したい」「独立したい」と思っても、「もし収入が下がったらどうしよう…」と行動をためらう理学療法士は少なくありません。ライフイベント(結婚・子育て・住宅購入)を前にしたタイミングではなおさらです。お金の不安をなくすことは、安心してキャリアの選択をできるようにする“精神的な保険”でもあります。
③学ぶ機会が少ないからこそ武器になる
理学療法士を含む医療系国家資格者は、資格取得までに専門知識を学ぶ時間が多い分、お金に関する知識は後回しにされがちです。しかし、保険・税金・投資・家計管理といったテーマは、働き始めてからこそ重要になります。ほとんどの人が知らない今だからこそ、自分が早めに学んでおくことで差がつき、未来の安心と自由が手に入ります。「稼ぐ・守る・育てる・使う」といったお金の基本的な教養が、これからのキャリアをより自由に生きるための“武器”になります。
今から始める資産形成5ステップ
STEP1|現状を把握する
まずは自分のお金の流れを把握することから始めましょう。収入、支出、貯金額、ローン残高など、毎月どれだけ入ってきて、何に出ていっているかを「見える化」することで、改善ポイントが明確になります。支出は「固定費」と「変動費」に分けて書き出し、収支バランスを記録します。また、自分の貯金・ローン・保有資産(保険含む)などをリスト化することで、「資産形成の起点」をつくることができます。
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STEP2|管理する習慣をつける
現状を把握したら、次は日々の家計の「流れ」を管理する習慣を身につけましょう。手書きが苦手な人は、スマホアプリを使えば自動記録ができ、挫折しにくくなります。クレジットカードやキャッシュレス決済を家計簿アプリと連携することで、使ったお金がどこに流れているかを一目で確認できるようになります。
STEP3|固定費を整える
家計の中でも特に見直し効果が大きいのが、通信費や保険などの「固定費」です。毎月自動的に出ていく支出だからこそ、一度見直せば効果が長く続きます。削減できた分は貯金や投資に回せるため、最初に取り組むべき節約ポイントとも言えるでしょう。
①通信費を見直すポイント:
・スマホのプランを確認する
・格安SIMを検討する
・インターネット回線の契約内容を確認する
・同一キャリアでまとめる
・不要な有料オプションを解約する
② 保険を見直すポイント
・保障内容を把握しているか確認する
・重複している保障がないかをチェック
・今のライフステージに合っているか見直す
・「安心料」として高すぎる保険料になっていないか?
・ネット保険や無料相談で比較検討する
特に保険に関しては、ライフステージに合わせて適切な保険へ加入・切替することが最も重要です。独身のうちは最低限の医療保険のみで、結婚・子供ができると終身保険(子供1人当たり3000万円が目安)に加入するなど、自分に合った保険を選ぶことがポイントです。保険に関して無料で相談できるサービスも多数存在するので、信頼できるサービスを選択して利用することもおすすめです。
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STEP4|お金を育てる(資産運用)
節約や管理によって生まれた余剰資金を、将来のために育てていくステップです。貯金だけではお金の価値が目減りする可能性があるため、長期・分散・積立といった手法で資産運用を行うことが重要です。つみたてNISAやiDeCoは、少額から始められ、税制面でのメリットもあり、初心者でも安心して取り組める制度です。
いきなり資産運用を始めるのが不安な方は、無料でフィナンシャルプランナーに相談できるサービスを利用するのも一つの手段です。
その際には、フィナンシャルプランナーの有資格者かつ多数の実績を持つ安心できるサービスを選定することがおすすめです。


STEP5|副収入を増やす
将来の資産形成をより安定させるためには、収入源を本業以外にも持つことが効果的です。理学療法士は専門知識や経験を活かしやすく、スキル販売や講師業、情報発信などの副業と相性の良い職種です。月数万円の副収入が生まれれば、生活にゆとりが出るだけでなく、投資や貯金にも回せるお金が増え、資産形成が加速します。無理なく小さく始められるサービスから、自分の得意分野で挑戦してみましょう。

資産形成に関するよくある質問(Q&A)
Q1:つみたてNISAとiDeCoは両方やるべき?
→ 可能であれば併用がおすすめ。ただし「流動性(引き出しやすさ)」の観点ではNISAのほうが自由度が高いため、生活に余裕がある範囲で始めましょう。
Q2:投資って難しそうで怖いです
→ 最初は「毎月同じ金額で、広く分散された投資信託を買う」だけでOK。自動積立を設定して、忘れるくらいがちょうどいいです。
Q3:貯金だけじゃダメですか?
→ ダメではありませんが、インフレ(物価上昇)に負けて価値が減るリスクがあります。貯金+投資の“両輪”で備えるのが安心です。
Q4:資産形成って何歳から始めるべき?
→ 早ければ早いほど有利です。20代から始めれば少額の積立でも将来大きな差に。30代・40代でも「今が一番若い日」と考えて行動しましょう。
Q5:副業って何から始めたらいい?
→ 自分の得意や経験を活かせる分野から始めるのがコツ。ココナラやnoteなど、初期費用ゼロで始められるサービスからのスタートが安心です。
Q6:家族がいても投資や副業はできますか?
→ はい、可能です。むしろ将来のためにこそ“今から備える”ことが重要です。生活に支障のない範囲で、無理なく続けられる方法を選びましょう。
まとめ|まずは環境から変えるのもおすすめ
資産形成は知識や行動も大切ですが、「そもそも環境が整っていない」と感じる場合は、思い切って働き方を見直すことも一つの選択です。実際に、給与が上がらない、時間にゆとりがない、職場で副業が制限されている——そんな状況では、どれだけ努力しても前に進みにくいこともあります。
転職によって、収入アップだけでなく「副業OK」「研修充実」「自費サービスに理解がある」などの環境を手に入れることで、資産形成にも加速度がつきます。
転職=逃げではなく、“キャリアとお金を前向きに整える一歩”として考えてみるのも良いかもしれません。
