UPDATED 2025.05.16

【完全版】理学療法士のキャリア8選|転職・副業・独立・異業種まで徹底ガイド

理学療法士として働く中で、給与や労働時間、人間関係、やりがいの有無など、「このままでいいのだろうか?」と感じている方も多いのではないかと思います。

このページでは、そんなモヤモヤを抱えた理学療法士の方に向けて、理学療法士キャリア8つの選択肢を徹底的にご紹介します。

転職だけじゃない様々な選択肢を知ることで、視野と可能性が大きく広がり、この記事を通して、あなたに合った道が少しでも見えて来ると大変幸いです。

【監修者】向井崇敏/理学療法士
ASAP株式会社代表取締役。病院・訪問など医療介護現場にて勤務したのちに独立。2020年に「骨格から美ボディづくり」をコンセプトとしたB.E.Tパーソナルジムを設立。現在はトレーナー教育&ジム開業コンサルティング事業「THE STORY」や、理学療法士向けキャリア形成ナビ「PT CAREER」を運営。

理学療法士キャリアも多様化の時代

かつては「病院勤務で長く働くこと」がスタンダードとされてきた理学療法士のキャリア。
しかし、近年は働き方の多様化、副業解禁、情報発信の広がりなどにより、自分らしいキャリアを選ぶ時代に変わりつつあります。

また、働き方の選択肢が広がったことにより、自分自身が将来どうなりたいのかという目標や将来像を設定することが大切になりました。

そこで、自分自身の将来像を少しずつ明確にしていくためには、周囲の理学療法士のキャリアモデルなどの情報収集をして、まずは「知ること」がおすすめです。

理学療法士こそ考えるべき「資産形成」

理学療法士が将来のキャリア像を設計するときに、意識するべき視点の一つとして「資産形成」が挙げられます。

人生100年時代を迎え、働き方やお金の考え方にも大きな転換期が訪れています。理学療法士として医療現場で働く私たちも例外ではなく、「いつまで働けるか」「老後にいくら必要か」という問いに向き合う必要があります。

理学療法士は国家資格を持ち、社会的な信頼も高い職種ですが、その一方で収入が大きく伸びにくいという構造的な課題があります。そうした状況の中で、老後資金をただ「なんとかなる」と放置しておくのではなく、「資産形成」というキーワードを念頭に置いた上でキャリア選択することも非常に需要です。

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理学療法士のキャリア8選

現代の理学療法士における主要な8つのキャリアルートをご紹介します。
当メディアでは、PT専門性と安定・自由志向の2軸で【安定・堅実タイプ】【専門スキル活用タイプ】【業界チェンジ安定タイプ】【自由クリエイトタイプ】の4つのグループに分類して、①同職種転職、②教育・研究職、③副業・院外活動、④独立・フリーランス、⑤海外・国際展開、⑥他業種転向、⑦キャリア支援、⑧異業種での起業の8つのキャリア展開をそれぞれご紹介します。

【安心・堅実タイプ】専門性×安定志向

①同業種転職|環境・ステージを変える

理学療法士としての専門性を活かしながら、より良い職場環境や待遇を求めて転職するパターンです。業務内容は大きく変えず、職場の人間関係や労働時間、給与体系の見直しによって「今よりも働きやすくなる」ことを目的としています。また、整形外科から神経分野、訪問リハビリから回復期リハビリなど、新しい専門分野に挑戦したい場合にも適した選択肢です。

向いている人:
今の職場に不満があるが、理学療法士の仕事自体は続けたい
専門性を活かして収入や労働条件を改善したい
新しい専門分野にチャレンジしたい

メリット:
経験を活かしやすく即戦力として評価されやすい
環境を変えるだけでメンタル面も改善しやすい
年収や勤務形態など条件を見直せる

アドバイス:
転職は「辞めること」ではなく「より良く働くための選択肢」です。また、転職エージェントを活用することで、自分では見えにくい職場の内部事情も把握でき、自分の希望条件とマッチした職場を無料で紹介してもらえるので非常におすすめです。

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② 教育・研究職|知識を未来につなぐ

教育・研究職は、専門学校や大学での教員、研究機関での活動、学術論文の執筆などを通じて、理学療法士としての知識と経験を次世代や学術に還元するキャリアです。臨床の現場とは異なるやりがいがあり、「教える・深める」ことに関心がある方に向いています。働き方の安定性も魅力です。

向いている人:
・教えることにやりがいを感じる
・論理的な思考や探究心がある
・学術活動や研究にも興味がある

メリット:
・社会的信用が高く、安定した職場が多い
・知識を深め続けられる環境がある
・次世代の育成というやりがいがある

アドバイス:
教育・研究職は大学院進学や修士・博士号の取得が求められることもあります。まずは非常勤講師や学会発表など、できる範囲から関わってみるのがおすすめです。臨床と並行してキャリアを積むことも可能なので、早めに準備しておくとスムーズに移行できます。

【専門スキル活用タイプ】専門性×自由志向

③ 副業・院外活動|まずは小さく始める

本業を続けながら、空いた時間を活用してSNS発信、執筆、講師業、自費サービス、オンライン指導などを行うスタイルです。副収入やスキルアップを目的に、まずは「できること」から小さく始められる点が魅力。将来的に独立や転職への布石になることもあります。

向いている人:
・病院勤務を続けつつ、新しい挑戦をしたい
・自分の専門知識を広く届けたい
・スキルや強みを活かして収入を増やしたい

メリット:
・小さく始められてリスクが低い
・副収入の確保ができる
・新たな強みや人脈が広がる可能性がある

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④ 独立・フリーランス|自由と責任を手にする

自費リハビリ、パーソナルジム運営、ピラティスインストラクター、整体院開業など、理学療法士の専門性を活かして個人で働くスタイルです。時間や場所に縛られず、自分の価値観で仕事を創れる一方で、経営者としての視点や責任も伴います。

向いている人:
・自分のビジョンを持ち、自立して働きたい
・自分の価値を自分で決めたい
・自分のやりたいサービスを形にしたい

メリット:
・収入も働き方も自由に設計できる
・強みを最大限活かせる環境を自分で作れる
・働きがいが大きい

アドバイス:
独立前には「誰に(WHO)」「どんな価値を(WHAT)」「どのようなスタイルで(HOW)」届けるのかといったコンセプトを明確にしておきましょう。ビジネススキル(集客・サービス設計・契約・税務など)の習得は必須です。弊社ではトレーナーとして独立したい方向けに「ビジネススキル」「サービススキル」を同時に学び、開業コンサルティングまでワンストップでサポートする「THE STORY」というサービスも展開しております。

⑤ 海外・国際展開|グローバルなPTを目指す

海外での理学療法士資格取得や留学、国際支援など、グローバルに活躍することを目指すキャリアです。語学力や適応力は求められますが、視野が広がり、世界のリハビリ事情や文化に触れる貴重な体験ができます。「グローバルな視点を持って活躍したい」という思いが強い方に向いています。

向いている人:
・英語力や語学学習に抵抗がない
・異文化に興味があり、適応力がある
・日本以外の医療事情に触れてみたい

メリット:
・視野が広がり、価値観が変わる
・海外PT資格取得でキャリアの選択肢が増える
・国際的なネットワークが広がる

アドバイス:
まずは短期研修や海外ボランティアなどで現地の雰囲気に触れるのがおすすめです。英語の勉強を始めるなら、医療英語に特化した教材を活用するとスムーズ。ビザや資格の要件は国ごとに異なるため、早めに情報収集し、計画的に動きましょう。

【業界チェンジ安定タイプ】汎用性×安定志向

⑥ 他業種への転向|理学療法士の枠を超える

理学療法士としての資格や業務経験から離れ、全く異なる業界・職種に転職する道です。営業・人材業界・教育・IT企業など、対人スキルや論理的思考を活かせる業界への転職実績も増えています。「新しい世界を見てみたい」「理学療法士という枠を一度外したい」と思ったときに浮上する選択肢です。

向いている人:
・医療業界の常識に違和感を感じている
・新しいスキルや働き方に挑戦したい
・幅広い業界に興味がある・情報収集が得意

メリット:
・自分の可能性を広げることができる
・働く環境や企業文化が大きく変わることでリフレッシュできる
・給与やキャリアアップの幅も業界次第で広がる

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【自由クリエイトタイプ】汎用性×自由志向

⑦ キャリア支援|自分の経験を活かして貢献

理学療法士としてのキャリアや悩みを、自らの発信やサポート活動を通じて、他のPTに還元する働き方です。ブログ・SNS・講演・キャリア相談など手段はさまざま。自分の体験を誰かの気づきに変えたいという想いがある方におすすめです。

向いている人:
・人の話を聞くのが好きで、共感力が高い
・自分の経験を言語化・発信できる
・キャリア形成に興味がある

メリット:
・他者支援を通じて大きなやりがいを感じられる
・自分の経験が誰かの役に立つ
・副業としても始めやすい

アドバイス:
「誰に、何を、どう届けるか」を明確にし、自分の体験を整理して発信を始めましょう。SNSやブログでの情報発信、キャリアコーチング講座の受講など、小さな一歩から始めることで、信頼と実績が蓄積されていきます。

⑧ 異業種での起業|“医療職”の枠を超えて自分のビジネスを創る

理学療法士の枠を超えて、医療業界以外で起業する道です。例として、カフェ・ITサービス・アパレル・教育コンテンツなど、「好き・得意」×「市場の需要」をベースに自分のビジネスを立ち上げるスタイル。PTとしての経験や人間理解を、全く違う業界で活かす挑戦です。

向いている人:
・医療職を離れ、ゼロから自分の事業をつくりたい
・自分の興味やスキルを自由に活かしたい
・制限のない働き方に魅力を感じる

メリット:
・やりたいことを事業として形にできる
・医療外の世界に飛び出すことで可能性が広がる
・収入も働き方も自由に設計できる

アドバイス:
他業種での起業は「スキル」よりも「情熱」「継続力」が大切です。まずは小さなサービスやコンテンツづくりから始めてみましょう。YouTube、ネットショップ、教室運営など、身近にできることからテストして、徐々に世界を広げるのが成功の近道です。

まとめ|“現状維持”も選択肢

ここまで主要な8つのキャリア形成についてご紹介してきましたが、「現状維持」ももちろん1つの選択肢です。

大切なのは、「何もしない」ではなく「自分で選んだ」と言えるキャリアにすること。
転職・副業・独立・他業種——どれが正解というよりも、「今の自分に合っているか?」を基準に、柔軟に選び直していける時代です。

どんな小さな一歩でも、自分で踏み出した選択は、あなたのキャリアを確実に前進させてくれます。

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